つむぎ語り~心を紡ぐ、言葉の旅

語り口調のエッセイよ。

野良猫の行方

毎日、遊びに来ていた野良猫がね、ある日を境にパタッと姿を消しちゃったのよ。

2日目は「あれ、どこか遠出でもしてるのかしら?」なんて思い始めたの。

5日目になっても見かけないから、「もしかして誰かに飼われたのかも?」って少し安心しようとしてみたけど、心配は消えないわよね。

1週間経った頃には「もしかして…」と悪い想像が頭をよぎるのよ。

思い返せば最近は暑かったし、見た目より年老いてたのかもなんて思って、かわいらしい仕草や表情を思い出したら涙がじわっとね。

そんな風に、いつの間にかあの子があたしにとって癒しの存在になってたのよね。

それで、もう胸がチクチクする思いでいた翌日よ。

いつもの場所に、なんでもない顔で元気に座っているあの野良猫の姿を見つけたのよ!

ホッとしたと同時に、また涙が出そうになっちゃってね。

「野良猫でも、こんなに癒しになるんだなぁ」って改めて感じたわ。

どこか新しい居場所を見つけたのかしらね。