つむぎ語り~心を紡ぐ、言葉の旅

語り口調のエッセイよ。

懐かしの給食 ~昔はみかんをお土産に~

たまに給食を思い出して食べたくなることがあるのよ。

当時はあたしんちが料理やだったからなのか、給食が味気なく感じていたんだけどもね。

食べれるだけでもありがたいのに、贅沢な話よ。

でもそんな味気ないと思っていた給食がまた懐かしくてね。

今は禁止されてるみたいだけど、私の学生時代は、給食を残したら持ち帰っていたのよ。

今思うと、食べ物を大切にする気持ちが自然と根付いてた時代だったのかもしれないわね。

今は、持ち帰った給食が家に着く頃には、特に夏場なんか食べられる状態じゃないってことが多いのかも。

だから、学校側としては「持ち帰らないでここで食べてくださいね」ってことになってるのね。

昔は多少痛んでも食べちゃう、なんて根性があったのかもしれないけど、今はそんな無理はさせられないわよね。

学校もさすがに工夫してるのよ。

「どうせ食べないなら少なめにしましょうね」って、子どもの食べきれる量を考えてるの。

だから、無理して持ち帰って家でまた残すよりは、食べられる量で給食の量を決めてるところもあるみたいよ。

きちんと食べきりましょうね、という時代に変わったのよ。

あの頃はね、帰り道に野良猫や野良犬を見かけると、持ち帰ったパンをあげれるのが嬉しかったわ。

あたしデザートが苦手という珍しい子供で、妹にみかんやゼリーやプリンをおみやげにするのも、ちょっとしたお楽しみだったわね。

孫の学校の給食では、たまにパンが出るって聞いたけど、私の時代は毎日食パンが2枚ずつ出てきてたわ。

硬いバターに冷え切った生食パン。どうやっても上手く塗りきれなくて苦手だったわ。

何度トースターを持参したいと思ったことか(笑)

しかもご飯が出るのなんて、週に1回か、2週間に1度くらいだったから、ご飯が出る日は特別な感じがしたものよ。

孫たちは給食でご飯を食べることが多いみたいで、時代なのか、田舎だからなのか、羨ましいわね。(あたしは都会育ち)

それから、昔は給食にミルメークやきな粉パンが出てきたけど、孫の学校ではそれもないみたいで残念だわ。

ミルメークはあの甘い味が懐かしくて、給食の時間が楽しみだったのよね。

きな粉パンも、あの香ばしさと甘さがたまらなかったわ。

こうして昔を思い返してみると、給食も時代とともに少しずつ変わってきたのかしらね。

今は給食を再現したレストランもあるみたいだから、今度行ってみようかしらね。