つむぎ語り~心を紡ぐ、言葉の旅

語り口調のエッセイよ。

大震災を振り返る – 家族とペットを守るための緊急避難体験記

最近でこそ老眼で見えにくくなったから頻繁にいけなくなったけど、昔は漫画喫茶に娘たちとよく行ったわ。

それで、行くと必ず思い出すのよ。あの日の事を。

あの大震災の日ね、たまたま外出していたのが本当に救いだったわ。

春休みでね、娘と二人で漫画喫茶に行ったの。

入って、読みたい漫画何冊も選んで席に持ち込んで、ドリンクバー用意して、ポテトを注文して、ソフトクリームを取ってきて、漫画読み始めてちょっとしたころよ。

突然激しい揺れに襲われて、とっさにテーブルにしがみついたわ!

「なにこれ?やばいんじゃない」って娘と話してたら、従業員の方が「外に出てください!」って叫ぶから、もう財布握って飛び出したの。

外に出たら、道路はひび割れてるし、電柱は傾いてるし、地面から水が吹き出してるし…これはただ事じゃないって感じたわ。

とにかく我先にレジに行って清算したわよ。

「ああ、せっかくのポテトとソフトクリームが...まだ読んでないのに全然」

なんて今思えばそんなことを考えるけど、その時は全欲望がぶっ飛ぶのよ。

店の周りでザワザワ騒いでる人達をかき分けて、駐車場に駆け込み車に飛び乗って、次女が通う中学校に急行よ。

でも、途中でまた大きなグラグラ揺れがきて、「このままじゃ車ごとひっくり返るんじゃない?」って、もうドキドキの連続よ。

やっとの思いで次女と合流して安心したけど、家の方に戻ったら今度は津波避難警告。

消防団が巡回していて即避難を指示されたわ。

普通ならそのまま避難だけど、うちにはペットがいるのよ。

「あの子たち置いて逃げられない!」って思って強行突破したわよ。

ところが道路がデコボコになっていて、車で家のほうまで入れない!

仕方なく車を降りて走り、家に入ってみたら、家具が倒れ、食器は飛び出して割れてるし…でも、そんなの気にしてる余裕なんてないわ。

とにかくペットたちが無事だったのを確認して、物を持ち出す余裕もなく、ペットたちだけを抱えて急いで高台の公園に避難したの。

ペットも家族の一員だからこそ、避難時の判断は難しい

今回、我が家はたまたま津波が来るのが遅かったおかげで、なんとか全員無事に避難することができたけれど、逃げ遅れたら大変な事態になっていたかもしれないわ。

ペットも大切な家族の一員、でもその一方で、避難のタイミングを逃すことで子供たちや自分の命の危険に晒されることもある。

もしも大津波が襲って来たら終わっていたでしょう。

だから避難警告が出たら、躊躇せずに必ず従うことが大切よ。

そうは言っても、やはり「ペットも命」だからこそ、避難の判断は本当に難しいわね。

避難警告が出たとき、命を守るためには即座に避難するのが一番なんだけど、家にいるペットを置いていくなんて、考えただけでも心が痛むわ。

車をデコボコの道路に停めて走って戻り、ペットたちを抱えて避難したけど、その判断が簡単だったわけじゃないの。

それに、外出してなければ、デコボコの道路で車も出せず、きっと逃げられなかったと思うとゾッとするわ。

だから我が家で防災グッズで何が一番大事って、凸凹道路を直すハンマーよ!

あと避難時にスムーズに連れ出せるよう、ペットキャリーや常備品を用意しておくのは大事な備えよ。

あの日は、あたしが人生で一番、判断と行動が早かった日だったと思うわ。