つむぎ語り~心を紡ぐ、言葉の旅

語り口調のエッセイよ。

田舎暮らしと東京のギャップ

田舎に越してもうだいぶ経つけど、田舎暮らしってなかなかおもしろいわよ。

東京から引っ越して来て、道を尋ねたら「二つ目の信号を左に」と言われてね、

走れど走れど信号がなくて、もしかして通り過ぎたのかと思って引き返してみたけどないのよ、

一つ目の信号までが何キロも先とは思わないじゃない!びっくりしたわ。

信号の数なんてほとんど気にしないで済むし、のどかな風景に癒される生活なのよ。

久しぶりに東京に行ったとき「なんでこんなに信号が多いのよ!」って、もうイライラよ(笑)

信号ごとに止まっては「まだか、まだか」ってストレスが溜まるの。

「一刻も早く家に帰りたい!」って心の中で叫んでたわ。

田舎では当たり前にあるけど、都会にはコンビニにトイレと駐車場がないこと忘れていてね、とんでもなくガマンするはめになったわ。

でもね、田舎暮らしもなかなか驚きの連続よ。

引っ越して間もない頃、なんと市長さんが突然うちにご挨拶にいらっしゃったの!

お会いするのはもちろん初めて、もう一瞬「どなた?」って感じよ。

それに驚いたのが、その格好よ。

もう普段着も普段着、部屋着と言ってもいいくらいのラフなスタイルで現れてね。

思わず「市長ってこんな感じで家に来るの!?」って固まっちゃったわ。

だって東京の頃、区長さんなんて卒業式や入学式の時に現れるような存在だと思ってたから(笑)

でね、「子供が学校で世話になってるんだから」という雰囲気で、まぁ、わかりやすく言うと「票を入れてくださいね」って感じでね。

あたし、直々お願いをされるなんて思ってもみなかったから、ただただ驚いて、恐縮ですって感じでなぜかペコペコしてたわ(笑)

やっぱり、これが田舎の付き合い方なのかしらと思ったわ。

都市と田舎のギャップってまだまだあるけど、本当に面白いわね。