つむぎ語り~心を紡ぐ、言葉の旅

語り口調のエッセイよ。

マイペース流儀:自己探求

あたしね、周りから「本当にマイペースね」って幼い頃から言われ続けてるのよ。

で、もしかしてあたしが人類史に残るほどのマイペースの天才なんじゃないかって。

いやね、謙遜してるようでしてないけど、ほんとにそれくらいマイペースに生きてるのよ。

だからさ、この際だから自分のマイペースぶりに考えてみようかと思ったわけよ。

だってこれがもう、あたしのポリシーって言ってもいいくらいなのよ。

「マイペースにもほどがある」なんて言われても、気にしないわよ。


あたしは本当にやりたくないことはやらないってはっきり言うのよ。

例えば、保護者の役員決めで委員長の当たりクジ引いちゃって、いや大ハズレなんだけど、

「委員長やりません!」って言い放って代わってもらったわよ。

だって面倒じゃない、それでなくても忙しいのに。

クジ強制なんておかしいわよ。

やりたい人がやればいいし、誰もやる人いないような委員会なら廃止すればいいんだから。

世間がどう思おうと、あたしはあたしのペースで行くわ。

これが「私らしい」生き方ってもんよ。


面倒くさいってのが標準装備されてるあたしだから、自分から誰かに連絡を取るなんて、もうそれだけで人生の大イベントくらいの気持ちなのよ。

独身の頃は家にいるとね、勝手に友達が集まってくるのよ。

もううちはね、セルフサービスのカフェ状態

冷蔵庫開けて勝手に飲み物を取ってもらうのがデフォよ。

気を使わないのがいいのか、人が寄ってくるあたり、あたしのマイペースの魔力ってやつかしらね(笑)

あたし、子どもの頃から引っ越しや転校を繰り返してきたせいか、人間関係に対しては深く執着しないのよ。

出会いも別れも通過点って思ってるのよ。

電車に乗って駅を通過してる感覚なのよ。

乗ったり降りたりしてるうちに、目的地に着くでしょ?

だから、そこにとどまる暇なんてないのよ。

だからって、忘れるわけじゃないのよ。

その人と出会う時期だった、別れる時期だった、とわりきってるだけ。


出会いは自分の人生においてとても重要で大切なことだと思っているのよ。

だけどいつまでもそこにどっぷり浸かってる場合じゃないの。

だって、自分も相手も、どんどん前に進んでるんだから。


あとね、約束ってのがほんと苦手でね、あたし。

絶対に守るという自信もないし、相手に約束を破られるのも好きじゃないのよ。

状況や気分なんてコロコロ変わるんだから、守れない約束なんて最初からしない派よ。

「ないしょだよ」っていう秘密の約束とかもね、もうそんなの、秘密っていう名の風船みたいなもんよ。

フワフワ飛んでって ちょっとしたことでパーンッと割れて広まっちゃうのがオチだから、最初から絶対しないわよ。

あたしの口だって常にパカパカ開閉してるんだから、いつうっかりしゃべっちゃうかわかんないわよ(笑)だからないしょの話しはやめてって言うのよ。

とはいえ、悩みはちゃんと聞くわよ。

あたしね、くよくよしてる話を何時間でも聞くのが得意だから、相手がスッキリするまで付き合うわ。

アドバイスなんてするような大した器じゃないから聞くだけよ。

代わりに、あたしのマイペースな生き方を話してみるとね、

「そっか、そんな生き方もありなのね」って、なんとなく相手もホッとするというか、あきれるというか、悩んでるのもバカバカしくなるのかしらね(笑)

励まし方ってね、人それぞれよ。

タクシーの運転手みたいに、ちょっとした声かけがその日のモチベーションになることもあるし、そういう瞬間に人生の面白さが詰まってるのかもしれないわね。

とは言ってもさ、どうしてか知らないけど、みんなあたしのマイペースに憧れてるのか(笑)、あるいは話を聞いてもらいたいのか、もう毎日のように誘いの嵐だったわけ。

これがね、正直言うと結構キツいわけ。

長時間縛られるっていうか、気づいたら終電逃してるパターン。

ええ、いいのよ、別に。いやよくないか。

やっぱり自分の時間も大事にしたいじゃない?

だからね、ここはマイペースの鉄壁で守りたいのよ。

上手に距離を取る術を考えなきゃな、って思ったけどなかなか難しいのよね。

結局、連絡を取らず逃げる感じでいたら、気づいたらね、今現在、友達が一人もいないっていう結果になってるわけ。
もうここまで来ると、これこそが最強のマイペースだわ!って思うのよ。